シスコ・パラダイス|岐阜県美術館 リポート

行ってきました!シスコ・パラダイス in岐阜。

 

ここ15年ほど塔本家のシスコさんの絵を広める活動を見てきましたが、65年ほど前、画家である息子の賢一さんがシスコさんの絵に心を動かされてから始まったこの活動は家族を巻き込み、ぐるぐると大きくなりながら色んな方の心を動かし、お義姉さんのがんばりでさらに加速されて、こんな素敵な美術館にまで、私たちを連れてきてくれるようになるものなのだなと思いました。

師匠の娘さんがたまたま見つけて来て下さったり、離れているのにまた繋がってしまうのはなんなんでしょうね。


シスコさんの絵は南国を思わせる明るさがありますが、全ての会場をご覧になられた方のお話だと、岐阜県美術館のやわらかい照明の下ではまた深みが増したように見えたそうです。

シスコさんは大きな絵を屋外の北の外壁に立てかけて描かれていたそうですが、

画家が描いていた環境や明るさが再現できれば、見ていた色とより近づけることができるように思いました。

LEDがすすんできているので、たとえば「熊本の真昼の太陽の下」とか「夏の枚方(大阪)の昼下がりの日陰」みたいなオーダーができたら、光選びも楽しそうです。

別の見方ですが、子供の頃の記憶と混じった絵は当時の熊本界隈の生活や文化を見ることができます。

髪を乙姫さまのように結っていたり、今回初めてみたのは、女の子たちが七夕の朝に髪がきれいになりますようにと泉で髪を洗う(清める?)絵。

今回出展されているか定かではないですが、みんなで大きなしめ縄を作り、その中に満月を落とし込んで見たあと、地面に置いて土俵にし、その中で相撲をとるというお祭りの絵があるのですが、こんなお祭りがあるのなら見てみたいといつも思います。

昔の人はちょっとした環境の変化を敏感に感じ取り、そこに神秘性を感じていたんですね。

 

展覧会へ行く度に絵にたどり着くまでの演出なども気になってしまう方ですが、

小雨の岐阜県美術館はエントランスからお庭、外壁タイルが作りだす微妙な白もやさしくきれいでした。


6/26(日)まで開催中です。

そして巡回展最後は関西の滋賀県立美術館で2022年7月9日~

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