犬飼ハット

建築相談を受けました。

山間部に犬と一緒に泊まれる小さなゲストハウスを建て、運営されたいというお話で、

ターゲットは犬と一緒に宿泊ご希望のご家族に一棟貸し。

建物は小さく建て、できるだけ費用を抑え、広大なドッグラン付。現地の風を感じられるような建物をというお話。

とても素敵な敷地でまだ頼まれていないのに考え始めると止めることができず、一案。

スタディ模型
スタディ模型

通り沿いから良く見える丘の上。車量は少なく、静かな所です。

ゲストハウスなので、お客さまが何だろうと行ってみたくなるような小さくてもきりっとするような‥

場所を見た時のイメージとご要望を聞いたあとのすり合わせで屋根がなかなか決まらなかったのですが、南側の高すぎる開口を屋根を折って合わせてみると、「おー!」。ぴったり敷地にはまりました。何といいますか、それこそ風が抜けるような喜びなのです。敷地で感じたことが形になり、生かされるような感覚です。

丘の緩いラインが印象的でその丘のような優しい屋根をかけ、目線の抜けていく南向きにドッグランと合わせて丘全体を取り込むよう空間構成し、西の川沿いに沿わせ横長窓を設置しています。ドックランがこのゲストハウスの一番の特色ですので、南の広大なドッグラン側に軒内空間をしっかりとり、多目的に使える見晴らしのいいテラスになっていて、コンパクトな室内を広げます。そして、二階に寝室。とにかく場所が良くて、北窓からもいい山が見えます(予定)。模型を作ってみると屋根の西向きの勾配は無くても良い気がしてきましたが、屋根を操作することで幾何学がゆるくなり、丘の勾配とフィットして解放感を感じたのですが、 いかがでしょう?

結局、お話は進まなかったのですが、一瞬学生時代の時のような楽しさが戻ってきたような気がしたのです。

年始に師匠から「お前もっと自由にやっていいよ。お前が楽しんでないと続けられないよ」と言われてずっと考えていました。

 

「楽しめているんだろうか?」

 

設計が始まると、何時間も集中して、すぐご飯を食べることも忘れてしまうので、それは楽しいということなんだと思います。

けれど正直言って、小さな建物でも建主の大きな決意を背負っていると思うと、プレッシャーが強く楽しんでいる余裕はなかったようにも思います。

結論は出ないのですが、少しずつ楽しめる余裕が出てくれば良いなと願いつつ今年の締めにしたいと思います。

ホームページのリニューアルを進めていて色々考えをまとめようとしていて、青くさい悩みですいません。