NIWA HOUSE

出ました!建築家 横内敏人先生作品集第二弾!

 

「NIWA HOUSE 横内敏人の住宅 2014-2019」(学芸出版社)

 

  

2014年に出版された第一弾の「WA-HOUSE」から考えると

「ニワハウス、ニワハウス‥2WA-HOUSE…えっダジャレ?」

ということでリラックスして読んでいただいてよいのではないでしょうか。

構成は庭園住宅、セミコートハウス、自然の中の家、郊外住宅、増改築、みんなの家というカテゴライズで全26作品掲載。それでも実作の半分ほどということで、5年で50軒と考えるとそのパワフルさに驚かされます。

今回はより庭との関係にスポットをあて、美しい写真と共に、平面詳細図に着彩で造園プランも描き込まれ、先生の庭への思い入れの強さが伺えます。あとは矩計(断面詳細図)、枠廻りや展開図が掲載されていて、物件ごとの重要な部分が押さえてある内容になっています。

 

とにかく先生は庭好きで、現場の後半、スタッフの疲れが出だしたころ、形が出てきた建物を見て、より具体的な造園プランがあがってきます。主木の配置や向きを決める時は必ず、現場に顔を出して下さって、特によくお世話になる東香園(造園)の名取さんとのやり取りはツーカーの仲で、名取さんがここだというところで、先生をチラッとみる。先生がうなずくというやりとりはかっこいいとしかいいようがないという感じでした。

 

なかなか独立してからは作品を直接見られる機会は少ないのですが、ゲストハウスへのリノベーションの「川」は見にいきました。見に行くと、「なんなの、なんなの、今回の納まりいちいちプロっぽいんですけど!」聞くと、やっぱり先生直筆の図面でした。その完璧への追及、無駄な力が入っていないのに、気遣いが行き届いていて美しく納まっていく様子は、長年の経験値を積んだ先生とそれを理解する大工さんの腕が成せる技だと思いました。

 

最後の付録に先生の生い立ちや建築を志してきた道のりが書かれてあります。個人的には付録もとても染みました。すっかり大人に見えていた20年前の先生も色々悩まれながら進んで来られたんだなと思うと同時に限られた人生の中で、ある時間を共有できることはとても貴重に思いました。未だにわからないことや悩んでしまうと、先生や事務所の先輩を頼りにしてしまっているところがありますが、先生が建築と共に取り組んでこられた教育により蒔かれたたくさんの種が芽吹くように、繋がっていくように、がんばらないとなと思いました。

以上、長くなりましたが、勝手に宣伝部 ウノでした。