設計段階からどうしようか迷っていたエントランスである犬走りの仕上げ。
施主はいかにも和風みたいなものはあまりお好みでないような気がして、
かつコストも抑えたい。
でも、モルタルの金鏝だとあまりにも味気ないし、なんか滑りそう。
これでいいやと思うものはどうやら金鏝が年月が経ち、自然に洗いだされて、
ザラザラしてるようだし‥
そんなままいよいよ仕上げ工事が近づいてくる頃、
街中でいい感じの仕上げ発見!
見かけたものは、ザラッとしたモルタル仕上げに3分程度の黒っぽい石が
散らされていて、その石の小ささのためか、なんだか石の部分が
大事そうに願い事をしているみたいに見えました。
石がないと一面なのですが、石を入れると石と面が分離して、石が浮いて見え、
よし、これをお手本にさせてもらおう。
いよいよ施工日は左官屋さんと朝から待ち合わせ。
まだ泥のモルタルに石を配置してみながら細かい仕上げの希望を相談します。
前日色々スタディし、結局ほぼランダムで良いなと思ったのですが、
このランダムというのはなかなか作り手には難しいところ。
縦と横のおおまかなピッチを決め配置していくことに。
一か所一か所入魂で小さな石1~3ずつというルールをもとにを左官屋さんの感性で、
配置してくださいました。
私もじっと見ていたのですが、次はここかなぁと思った位置がぴったりあったりすると、
「やっぱりそうきましたか。」という感じでおもしろかったです。
「もうちょっと揺らして下さい。」みたいな抽象的な要望にもびしっと答えて下さいました。
あまりの真剣さにこの真剣さがお手本を見たときの願い事をしてるみたいと感じたことに
繋がっていくのかなと思いました。
一通り石を並べ、あとはスポンジでふき取りながら、荒せば出来上がり。

