烏野 良子(うの りょうこ)

 

1982 大阪生まれ

2004 京都造形芸術大学芸術学部環境デザイン学科卒業

2004 横内敏人建築設計事務所入所

2014 烏野建築設計室設立

 

一級建築士

 

建築とは建築に関わるさまざまなものをうまく関係づけていき、

調和させることのように感じています。

使い手と本来ぶっきらぼうな様々な材料を関係づける、

敷地と建主の距離間を調整する…

小さな建築でも数えきれないくらいの関係性があり、

それを根気強く解いていき、うまくいった時の感動は

丁度きれいな音楽が聞こえてきたような感動があります。

最後の一押しはどうしても太陽や風に頼らざる得ないところもありますが、

普段見逃してしまいそうな私たちの身の回りにある小さな感動を

日常の中で感じていただくこと、できればそれを伝えていただくことを

目標としています。

 

以下は建築を作るうえでの、自分なりの方針です。

感覚的なものがまだまだ言葉になりきらない部分もありますが、よろしければご一読下さい。


・土地と人を結ぶ

やっと見つけた土地・たまたま手に入れた土地。いずれにせよ縁あって土地が決まる。

その時から自分と土地の関係づくりが始まる。

どのような気候か、風はどちらから吹くのか、地盤はどうか、お隣さんとの関係、好きな景色は?

様々な条件の中、建築は土地と人の仲をとりもつ装置になる。

 

・感じる空間

例えば、子供たちがはじめての場所に行った時、落ち着きなく走り回ってしまうのは、

自分の体をスケールにして広さを測り、はね返る音で、その空間の特徴を確かめているのだと思う。

子どものように、もっと知りたいと思わず、五感を働かせてしまうような場所を作りたい。

 

・皆で楽しむ

建築の良いところは中に入れるところ。

そうすることで、一緒にいる好きな人はもちろん、同じ空間にいる知らない隣に座っている人も、

今同じ感動をしているかもしれない。

今この時を同じ場所で楽しもう。

 

・澄む

一日の中でその人が自分を取り戻せる空間を作りたい。

例えば、木々が風でざわざわっと揺れ、木漏れ日も合わせて動くのを感じるとき、

水面に反射した光が天井に映っている様子を見ているとき、

夜、電気を消してみると意外に月が明るいことに気づき、月明かりで影を作ってみるとき…

静かな時間が流れ、自分がシンプルになるのを感じる。

 

・なじむ

建築にはなじませるという仕事がある。現場に施工の少し前より材料を搬入し、

材料をすでに出来上がっている部分と同じ環境に慣れさせ施工する。そうするとトラブルが少ない。

私たちはどんなものとなじむのか。どこか作ってくださった方の仕事を感じるものはスッと自分となじむ。

建物と街はどのようになじむのか。気候、それによって作り出されてきた街並み。外を歩いている人にも愛される佇まいでいたい。建築によって生まれる様々な関係、人と人・人と物・物と物をなじませることが私たちの仕事なのかもしれない。

 


最後に

2011年3月11大きな震災が起きました。自然の警告のような。

自然はコントロールできない、わかっていたのに、謙虚さを欠いてしまっていたのだ直観的に思いました。

「食べる」ことと同じように、わたしたちが「住む」ということは自然の犠牲の上、成立していても、せずには暮らしてはいけません。

ただそれでも、わたしたちには、自然の強い生命力の中で、その一部として自然と調和して力強く生きていく力、そして、そのことを喜ぶことができる気質が備わっているように感じます。

自然の構造と秩序を知り、利用される様々な素材が生きるよう大切に設計することにより、

長く愛される建築設計に精進していきたいと思います。